１、癌細胞は死なない
先ほどアポトーシスという言葉を使いましたが、すべての細胞は死を迎えるように予めプログラムされています。
細胞の種類により寿命が違います。
白血球は30日‐50日で死にます。
赤血球は100日ぐらい、血小板は120日ぐらいです。
脳細胞は60年‐80年変化がありません。
寿命は違いますが、いずれは死を迎えます。
癌細胞は違います。
癌細胞には死がありません。
栄養を与え続ければ、永遠に生き続けます。
自然消滅はありません。
これはとても重要な点です。
しかし自然消滅と永遠の生の切り換えを行なうのは可能です。
癌細胞を再び自然消滅する細胞に転換する方法がいくつかあります。
今科学の目がほとんど全てそちらの方向に向いています。
科学者は、癌細胞を自然消滅に向かわせるためのスイッチを探しているところです。
２、癌細胞の食欲はユニーク
彼らは大食漢で、ふつうの細胞よりも多くの栄養を必要としています。
ふつうの細胞は一定の機能しか行ないませんので、摂取すべき栄養の量も決まっています。
しかし癌細胞は増殖し続けます。
2〜3分毎に細胞分裂や有糸分裂を繰り返しますから、1が2に、2が4に、４が８に、８が16に、16が32へと増えていきます。
私達が眠っているときも歩いているときも｢気違い｣のように増えていきます。
そのためたくさんの栄養分を必要としており、異常なほどの食欲を特徴としています。
生き残りと繁殖のために、そういう多量の栄養が必要なのです。
それが癌細胞の強みであると同時に弱点にもなっています。
この点に関しては後ほどもう一度説明します。
多くの製薬会社が癌細胞の異常な食欲を利用して、その治療方法を見出そうと努力している理由もここにあります。
食欲を止めることができれば、癌細胞を餓死させることができます。
癌細胞や腫瘍細胞を餓死させるのも、癌の増殖をくい止める一つの方法です。
次はがん細胞の増殖と転移についてです。
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